どうなる?小集団SST
(さっぽろ雪まつり:タイ国の作品)
大学の後期の授業が終わり、半年ぶりにブログに復活です。
自分にご褒美で北海道旅行に行きました。なんとユッキーと二人で。
親に気遣いできるようになった彼が、ちょっとうれしかったなあ。
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今日は小集団のソーシャルスキルトレーニング(SST)のお話をします。
最後に勤めた小学校でおこなっています。
通級で小集団を組まれているところは多いと思いますが、この学校でやっているSST
はちょっと違います。学校全体を巻き込んでのSSTです。
学年で道徳の時間を統一してもらい、そこでその学年の小集団を組むようにしています。
通級や知的・情緒の学級でSSTの必要な子どもたちがレギュラーメンバーです。6人の内の3人がレギュラーメンバー。後の3人は通常の学級の子どもたちを順番にゲストとして招きます。
レギュラーメンバーは3週間に1回くらい。通常学級の子どもたちは1年に1回くらいの参加になるようにしています。
内容は、聞く・話す・協力してグループ活動(ゲーム)をするようなことです。
1・2学期は2・3・4・5年、3学期は1・2・3・4年のSSTをするので、通級担当は週4時間SSTを計画しています。
もう8年ぐらい取り組んでいるので、計画も教材もしっかり用意してあって、担当が変わっても取り組めるようにしてあります。
効果はとてもよくて、
・大きな集団の中ではなかなか話せなかった子どもがここで自信をつけた。
・話すスキルを身につけた。
・さりげない集団でのルールを明確にすることで、わかるようになった。
・集団で動くことの面白さ、協力することの良さなど体験から学べた。
・ルールを守るから面白いということがわかった。
などなどレギュラーメンバーは、個別と学級の大きな集団の橋渡しになるような学習として取り組めているし、自分が出せる場になっています。
そこに通常学級の子どもたちが参加するので、
・◯◯ちゃんが、いつもより頑張っていて驚いた。
・◯◯ちゃんに教えてもらった。
などレギュラーメンバーの再発見ができ、
・聞くことは頭のテレビに写すのが大事(イメージ)とわかった。
・何回も発言できて楽しかった
など、自分も勉強になり楽しかったというような感想もたくさんあります。
通級の先生方は、その日の小集団の様子をA41枚にまとめて、通常の先生方にわたしています。先生方も小集団学習の中で、子どもたちのいつもとは違う面を見られるし、なにより子どもたちが自分の番が回ってくるのを楽しみにしていて、帰ってきた子どもたちが「たのしかったー!!」と報告する笑顔がとびっきりいいので、この活動を支持してくれています。
この活動の教育課程への位置付けですが、レギュラーメンバーは自立活動。通常の学級の子どもたちは交流活動ということで行っています。道徳が1時間減るけれど、この学習の効果を考えての、当時の校長の度量の大きさでの判断だったと思います。それ以後3人校長が変わっていますが、それぞれ認めてくれていました。授業公開も何回かやりました。教育委員会の先生方や長期研修の先生方の視察も年に数回やってきました。
わたし個人でもいろいろなところで事例発表をしていますし、今、大学でも学生たちに講義もしています。どこでも評判はよく、ある大学の教授は「すべての学校で取り組んだらいいのに。」とも言ってくださいました。
ですがここにきて、この小集団SSTの灯火が消えつつあります。
原因は、道徳の教科化です。評価も伴うので、そことリンクして小集団のSSTがしにくくなったということです。学級活動でという話もありますが、それはすこし無理がありそうです。内容的には机上の道徳よりよっぽど学べると思うのですが・・・。
教科化になっても評価は記述式ですから、この活動も入れての評価で構わないのではないでしょうか。(今までも通知表にSSTのことを書かれている先生もいました)、柔軟に対応できる人材を育てなければいけないし、育てる側もそうであってほしいと思うのですが、規則に縛られるあたまの固い管理職では難しいのでしょうね。
もし、この教育に興味がある方は、資料を山口県の教育委員会特別支援教育推進室を通して学校にお問い合わせください。小集団SSTを学校ぐるみで継続的に行っているのはその学校だけなのでわかります。小集団SSTの年間指導計画や授業公開した時の資料とかあると思います。この次ブログに書こうかと思っていますが、発達障害についての障害理解授業(1〜6年生)の指導案もあります。